自殺列車
闇の中に足を踏み入れた。


その瞬間、周囲は明るく照らされていた。


俺は車両を移った瞬間自分の目を疑った。


目の前に穂香がいる。


穂香だけじゃない。


一番最初に死んでしまった澪も、優志も朋樹も愛奈もいる。


そして、俺も姿もあった。


俺たちはバラバラの椅子に座り、窓の外の景色を見ている。


窓の外は暗闇ではなく、田舎風景が続いている。


この電車に乗り込んできた時と変わらぬ光景があったのだ。


「なんだよこれ……」


思わずつぶやく。


そしてまるで引き寄せられるように穂香の方へと歩いていた。


穂香はチョコンと椅子に座り、窓の景色を見ている。


「おい、穂香!」


近くまで来て声をかける。


しかし、穂香は俺の声に気づかない。


聞こえなかったのか?
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