自殺列車
助ける~旺太side~
それは試験が終わって翌日の事だった。
3月5日。
試験返却があるため、俺は学校へ向かっていた。
たった2時間で終わる学校を疎ましく思って登校して来ない生徒もいるけれど、特にやることもない俺は真面目に登校する生徒に混ざっていた。
今日は午後から休みだし、どこか遊びに行こうかな。
そんな事を考えながらダラダラと歩いて行く。
学校までの道のりは徒歩15分程度で、大きな通りを真っ直ぐ行けば到着する。
いつもの通いなれた道だった。
登校途中にはいくつか横断歩道があり、その1つは今は壊れて使えない状態だった。
季節外れの台風の影響を受けてしまったそうだ。
だから、そこを通る車はいつも以上に慎重に通っていたはずだった。
いくら一通勤ラッシュの時間だからと言って、スピードを上げて通る車はいなかった。
信号機が壊れている歩道を、1人の女性が渡り始めた。
それは通学途中によく見かける女性で、俺は彼女の手に白い杖が握られている事にすぐに気が付いた。
カンカンと地面を叩きながらゆっくりと渡って行く女性。
3月5日。
試験返却があるため、俺は学校へ向かっていた。
たった2時間で終わる学校を疎ましく思って登校して来ない生徒もいるけれど、特にやることもない俺は真面目に登校する生徒に混ざっていた。
今日は午後から休みだし、どこか遊びに行こうかな。
そんな事を考えながらダラダラと歩いて行く。
学校までの道のりは徒歩15分程度で、大きな通りを真っ直ぐ行けば到着する。
いつもの通いなれた道だった。
登校途中にはいくつか横断歩道があり、その1つは今は壊れて使えない状態だった。
季節外れの台風の影響を受けてしまったそうだ。
だから、そこを通る車はいつも以上に慎重に通っていたはずだった。
いくら一通勤ラッシュの時間だからと言って、スピードを上げて通る車はいなかった。
信号機が壊れている歩道を、1人の女性が渡り始めた。
それは通学途中によく見かける女性で、俺は彼女の手に白い杖が握られている事にすぐに気が付いた。
カンカンと地面を叩きながらゆっくりと渡って行く女性。