自殺列車
そう言い、車掌が俺の手首に触れた。


そこに時計盤が現れ、カチカチと短針が動き始める。


今の時刻は丁度12時を差していた。


「戻ってこられないと、どうなる?」


「お前は永遠に成仏できず、さまよい続ける」


俺は窓を睨みつけた。


「わかった。必ず戻ってくる」


そう言い、窓に足をかけた。


こわくないわけがない。


でも、行くしかない。


俺はもうどうせ死んでいるんだ。


失うものなんて、なにもない!!


次の瞬間俺は空中へと身を放ったのだった……。
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