自殺列車
色々と確認したいことはあるけれど、まずは俺の知っている場所を当たってみよう。


そう思い歩き出す。


とりあえずは学校だな。


ここからだと家に戻るより学校へ行った方が近い。


そう思った時だった。


不意に景色がめぐり始めた。


思わずその場で立ち止まり、過ぎていく景色を唖然として見つめる。


そして数十秒後、ピタリと景色は止まった。


そこは学校の校門の目の前だ。


「無駄な移動時間は短縮できる」


そんな声がして振り返ると、空中に浮いている車掌の姿があった。


その姿にギョッと目を見開くが、普通の人間には見えていないようだ。


俺は本当に死んだんだな……。


そう、再確認させられる。


「頭の中で行きたい場所、会いたい人間を思い浮かべろ。そうすれば飛べる」


それだけ言うと、フッと姿を消してしまった。


俺は校門へと向き直った。


まずは自分の教室からだ。


そう思い通い慣れた教室を思い浮かべたのだった。
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