自殺列車
家族~旺太side~
俺がいくら「大丈夫だから」とか「頑張ってくれよ」と声をかけても、その声は安田には届かなかった。


安田は俺がいない事を苦しみ夢まで諦めかけているのに、俺にはなにもできなかった。


悔しくて、自然と拳を握りしめる。


死んだ俺はなんて無力なんだろう。


変わってしまった親友に肩を落としたまま、俺は安田の家を出た。


陽はすっかり暮れていて、俺は時計に目をやった。


時刻は17時30分を差している。


残り時間は6時間30分。


野球の試合が終わるのを待っていたから随分と時間が経過してしまった。


俺はすぐに目を閉じ、自分の家を思い浮かべたのだった。
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