自殺列車
自分のことは自分でしなさい。


生きていた頃俺はばあちゃんにそう言われて育ってきた。


だから俺は身の回りのことは大抵できていたし、母親が忙しい時の手伝いもしていた。


だけどそれは元気なうちの話で、年をとって自由がきかなくなってからは人を頼りにすればいい。


ばあちゃんは今、家族に迷惑をかけないようにして少し無理をしているのかもしれなかった。


バタンとトイレのドアが閉められる。


「ばあちゃん……」


小さな背中で頑張るその姿が、胸に痛かった……。
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