自殺列車
「この場所へ来られるのは最後まで残った子だけだ」


「……俺の事か?」


「そうだ。苦しむ必要のある子は必ず途中で消えていく」


「でも! 澪や優志は悪い事をして死んだわけじゃないだろ!!」


食らいつく俺に、車掌は見下したような視線を投げかけて来た。


「親より死ぬということは、重罪に当たる。お前の場合は人の命を助けているから特別なだけだ」


「……っ!」


どんな理由で死んだって苦しむ必要があるってことかよ。


俺は奥歯を噛みしめた。


確かに、昔から親より先に死ぬことは親不孝で、石山を積まなければならないという言い伝えもあるくらいだ。


「お前たちは49日後必ず成仏できる。それまで我慢するだけだ」


そう言い、車掌は姿を消したのだった。
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