自殺列車
笑い声と~朋樹side~
目を開けると、目の前に穂香の遺影があった。


ここは穂香の家か……。


周囲を見回してみると、綺麗に整頓されたリビングで俺はホッと胸をなで下ろした。


時間が遅いからか家の中を動き回っている人はいないようだ。


静かな部屋の中俺は生きていた頃の穂香の写真を見つけていた。


テレビ台の上に置かれている幸せそうな家族写真。


幼い穂香の誕生日の写真らしく、ケーキを目の前にして少し照れくさそうにほほ笑んでいる。


その写真に心が温かくなるのを感じていた。


俺も、こういう時期があった。


誕生日はいつだって特別で、沢山の「おめでとう」と、ケーキをもらう。


小学校の頃はよく友達を呼んで小さなパーティーもしたっけ。


穂香もきっとそうだったんだろう。


隣の写真には友達と一緒に写っている写真が飾られている。


穂香はきっと幸せに暮らしていた


それがわかると、嬉しくなっている自分がいた。
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