自殺列車

穂香~side~


田舎の、小さな駅舎が見える。


改札口の向こう側にすぐホームが見え、線路は1つしかない。


あたしの前をヒラヒラと踊るように飛んでいた青い蝶は、駅の入り口をスイッと抜けてホームへと出た。


あたしはその美しさに見惚れたまま、フラフラと無人改札を抜けホームへと立った。


「あれ……?」


ホームへ出たのはいいけれど、さっきまで人を誘うように飛んでいた蝶の姿はどこにもなくて、あたしの視界に真っ黒な電車が映った……。











END

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