自殺列車
優志と澪のやり取りと離れた場所で見ていた朋樹が不意に立ち上がり、近づいて来た。
朋樹の威圧感のある歩き方に、自然と2人の会話は止まる。
しかし、朋樹の口から発せられたのは意外な言葉だった。
「俺は自分の力が無くなった気がするんだ」
その言葉に優志は目を丸くして「へ?」と、まぬけな返事をした。
うるさくした事を怒鳴られると思っていたから、拍子抜けしたようだ。
「さっきドアを開けようした時に思ったんだ。全力でドアに体当たりしても、いつもの手ごたえがないのはなんでだってな」
確かに、それはあたしも思っていた事だ。
6人で体当たりをしてもビクともしないドアなんて、電車で使われているだろうか?
安全のため普通のドアより強度はあるかもしれないけれど、キズ1つ付かないのはどう考えてもおかしい。
「なぁ、ちょっとお前で試してみてもいいか?」
朋樹はそう言い、優志へ向けて拳を突き出したのだった。
朋樹の威圧感のある歩き方に、自然と2人の会話は止まる。
しかし、朋樹の口から発せられたのは意外な言葉だった。
「俺は自分の力が無くなった気がするんだ」
その言葉に優志は目を丸くして「へ?」と、まぬけな返事をした。
うるさくした事を怒鳴られると思っていたから、拍子抜けしたようだ。
「さっきドアを開けようした時に思ったんだ。全力でドアに体当たりしても、いつもの手ごたえがないのはなんでだってな」
確かに、それはあたしも思っていた事だ。
6人で体当たりをしてもビクともしないドアなんて、電車で使われているだろうか?
安全のため普通のドアより強度はあるかもしれないけれど、キズ1つ付かないのはどう考えてもおかしい。
「なぁ、ちょっとお前で試してみてもいいか?」
朋樹はそう言い、優志へ向けて拳を突き出したのだった。