自殺列車
腕相撲
「やめて!」
優志へ向けられた拳を見て、あたしは思わずそう叫んでいた。
優志は殴られないように腕で顔を覆い、中腰になっている。
「こんな弱そうなヤツ、殴ったりしねぇよ」
「え、そうなの?」
駆け寄ろうとした足を止め、あたしは朋樹を見上げた。
朋樹は呆れたような顔をしていて、本当に危害を加えるつもりはなさそうだ。
なんだ、それならよかった。
そう思い、一旦は胸をなで下ろす。
しかし、「腕相撲で勝負しようぜ」朋樹の言葉に、あたしは目を丸くした。
朋樹の腕は優志の倍くらいの太さがあり、筋肉が盛り上がっているのがわかる。
腕相撲で勝負しなくても、勝敗は目に見えている。
「な、なんで俺がそんな事しなきゃいけないんだ」
「自分の力が通常通りあるかどうか試すためだ」
「そんな……」
優志の顔はサッと青ざめる。
朋樹に本気を出されたら優志なんてひとたまりもないだろう。
優志へ向けられた拳を見て、あたしは思わずそう叫んでいた。
優志は殴られないように腕で顔を覆い、中腰になっている。
「こんな弱そうなヤツ、殴ったりしねぇよ」
「え、そうなの?」
駆け寄ろうとした足を止め、あたしは朋樹を見上げた。
朋樹は呆れたような顔をしていて、本当に危害を加えるつもりはなさそうだ。
なんだ、それならよかった。
そう思い、一旦は胸をなで下ろす。
しかし、「腕相撲で勝負しようぜ」朋樹の言葉に、あたしは目を丸くした。
朋樹の腕は優志の倍くらいの太さがあり、筋肉が盛り上がっているのがわかる。
腕相撲で勝負しなくても、勝敗は目に見えている。
「な、なんで俺がそんな事しなきゃいけないんだ」
「自分の力が通常通りあるかどうか試すためだ」
「そんな……」
優志の顔はサッと青ざめる。
朋樹に本気を出されたら優志なんてひとたまりもないだろう。