自殺列車
残り30
ガタンッと電車が揺れて、座っていたあたしの上半身も大きく揺れた。
さっきから動き始めたこの電車だけれど、いつまで待っても行先を告げるアナウンスが流れてこない。
普通、出発前になると《○○行、各駅停車いたします》とかなんとか、そういうのが流れるはずなのに。
まぁいいか。
次の駅で降りればいいんだから。
そう思い直し、あたしは電車内に乗っている人たちを見回した。
みんな若くて、もうすぐ高校2年生に上がるあたしと同じくらいの年齢かもしれない。
社会人、という雰囲気の人は誰もいない。
みんな一様に黙り込み、不安げに外を景色を眺めていたり、ムスッとして足を組んでいたりする。
みんなはどこへ行くんだろう……。
蝶に誘われて乗ってしまったあたしとは違い、それぞれに目的地があるはずだ。
あたしは乗客から視線を上へと移動した。
前の車両とのつなぎ目を見ると、電光掲示板が設置されていて《残り30》という文字が流れている。
さっきから動き始めたこの電車だけれど、いつまで待っても行先を告げるアナウンスが流れてこない。
普通、出発前になると《○○行、各駅停車いたします》とかなんとか、そういうのが流れるはずなのに。
まぁいいか。
次の駅で降りればいいんだから。
そう思い直し、あたしは電車内に乗っている人たちを見回した。
みんな若くて、もうすぐ高校2年生に上がるあたしと同じくらいの年齢かもしれない。
社会人、という雰囲気の人は誰もいない。
みんな一様に黙り込み、不安げに外を景色を眺めていたり、ムスッとして足を組んでいたりする。
みんなはどこへ行くんだろう……。
蝶に誘われて乗ってしまったあたしとは違い、それぞれに目的地があるはずだ。
あたしは乗客から視線を上へと移動した。
前の車両とのつなぎ目を見ると、電光掲示板が設置されていて《残り30》という文字が流れている。