自殺列車
もしかしたら澪が助けを呼んでくれるかもしれない。


そんな期待も、澪の死と一緒になくなってしまった。


それどころか、外が車内よりもずっと危険だと言う事もわかった。


一体なにがどうなって澪が落ちて来たのかはわからないけれど、あたしたちはここから出る事はできない。


完全に車内に閉じ込められたことになるのだ。


考えれば考えるほど、胃がギリギリと締め上げられるような感覚がする。


あたしは澪の死体から目をそらし、涙をぬぐったのだった。
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