自殺列車
前の記憶
暗闇に支配された電車の中、あたしたちは4人席に座っていた。
いつ優志の体が降ってくるかわからないから、降ってくる窓とは逆側の席だ。
「この空間の事はいくら考えても憶測でしかない。だから、今度はもう少し自分たちの事を話そうと思うんだけど、どうかな?」
旺太がそう言い、みんな一様に頷いた。
これ以上色々と議論していても、結局答えなんて見つからないのだ。
それなら自分たちの事を話して理解を深めた方がいいかもしれない。
「みんながここへ来たのは青い蝶を追っていたからだよな? それは一致しているけれど、その前は何をしてたんだ?」
旺太がそう聞き、あたしは瞬きを繰り返した。
「蝶を追いかける前……?」
「そう。どこで蝶をみかけて、どこから追いかけていたのか」
「そういえば、記憶にない気がする」
愛奈が答える。
「あたしも。気が付いたから青い蝶を追いかけてた」
あたしは今日の自分の記憶をたどる。
朝何時に起きて、何を食べたのか。
全く思い出せない。
いつ優志の体が降ってくるかわからないから、降ってくる窓とは逆側の席だ。
「この空間の事はいくら考えても憶測でしかない。だから、今度はもう少し自分たちの事を話そうと思うんだけど、どうかな?」
旺太がそう言い、みんな一様に頷いた。
これ以上色々と議論していても、結局答えなんて見つからないのだ。
それなら自分たちの事を話して理解を深めた方がいいかもしれない。
「みんながここへ来たのは青い蝶を追っていたからだよな? それは一致しているけれど、その前は何をしてたんだ?」
旺太がそう聞き、あたしは瞬きを繰り返した。
「蝶を追いかける前……?」
「そう。どこで蝶をみかけて、どこから追いかけていたのか」
「そういえば、記憶にない気がする」
愛奈が答える。
「あたしも。気が付いたから青い蝶を追いかけてた」
あたしは今日の自分の記憶をたどる。
朝何時に起きて、何を食べたのか。
全く思い出せない。