自殺列車
その質問に、全員の表情が凍りついた。


今日は何月何日か?


そんな単純な質問に、あたしの思考回路は停止する。


「……わからない」


答えたのは愛奈だった。


愛奈は青い顔をしてうつむいてしまった。


でも、あたしも同じ気持ちだった。


日付が全くわからないのだ。


今日の日付だけじゃない、昨日が何月何日なのか思いだせないのだ。


「忘れていることや違和感ってこれのことかもしれねぇな」


朋樹がそう言う。


何か大事な事を忘れている。


それはあたしたちの日常生活のことかもしれない。


でも……。


でも、それだけじゃない気がする。


なんだかわからないけれど、もっと、重大な何かを忘れているような気がするんだ。
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