自殺列車
「まじ? 俺はないなぁ……あ、もしかして学校サボってた日にあったのかな?」


と、朋樹。


「一学期の期末テストっていつあるの?」


学校に行っていない愛奈が首を傾げて聞いてくる。


「あたしの学校では2月下旬か3月の頭まで」


「俺も学校もそんなもんだな」


「じゃぁ、2人とも同じ時期の記憶があるんだね」


愛奈はうんうんと頷きながら話を整理する。


「で、あんたは?」


朋樹へ向けて雑に質問をする愛奈。


「俺もたぶんそのくらいの記憶だろうな。テストなんてダルイし、受ける気ねぇし、1人で家にいたけどな」


「なるほど。じゃぁあんたもだいたい同じ時期の記憶が残ってる」


「愛奈は?」


そう聞くと、愛奈は難しそうに眉を寄せた。


「たぶん、同じくらいの時期だよ。外から入って来た風はまだ冷たかったから」


愛奈の言葉にあたしは首を傾げる。


外から入って来た風で季節を感じるというのは、あたしにはピンと来ない。
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