ヒーロー女子

「へぇ。音羽をいじめるって脅してまでしたデートがそんなにたのしかったんですか………可哀想な人」


「なっ！！」


「だってそうでしょ？そうしないとできないデートなのに楽しいなんて」


「あんたに何がわかんのよっ！！」





声を荒らげる南さん。





「…確かにわかりません。でもあなたも分かってますか？

音羽以外とデートしないといけなかった先輩の気持ちが。
それを見てしまった音羽の気持ちが。

それと…南さんの幼なじみの気持ちが」


「え…？」


「南さん他校に幼なじみいますよね？中学の時付き合ってて…幼なじみさんの浮気が原因で別れたんでしたっけ？

でも…それ全部南さんの勘違いですよ。
小林先輩が南さんとデートした時と同じ理由です。脅されさんですよ」


「う…そ」





涙をポロポロ流す南さん。