ヒーロー女子



「いっちゃんは私を見くびってるの?いじめられたって私はいっちゃんから離れない」


「…音羽」


「いっちゃんは違うの?私を…手放すの?」





悲しそうに顔を歪める音羽に近づいて優しく抱きしめる小林先輩。





「…離さない。離すわけがない。俺は音羽が好きなんだ。たとえ音羽が他の奴の所へ行っても力ずくで奪ってやる」


「いっちゃん…私も好き。いっちゃんが好き。大好き」





その時静かに流れた音羽の涙はあまりにも綺麗で。



2人はどちらともなくキスをした。



その場面は思わず見入るくらい素敵で、まるでドラマの一場面の様だった。




でもその場面も雅先輩の声で終わったのだけど。


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