ヒーロー女子
「だって、風ちゃん辛いでしょ?なのに…なんであんなバカなことするんだよ。壱成と音羽ちゃんの為に何でやるんだよ。
それに…南のことも。
なんで自分を傷つけてでもやるんだよ」
先輩が南さんのことを意図的に録音してたのはすぐにわかった。
でもそれは私に小林先輩を助けろって言ってるわけじゃなくて私があの子たちに言ったように“諦めろ”っていう意味。
小林先輩は音羽のことしか考えてないって私に見せるため。
「なんで…俺を怒らないんだよ」
でも私は知ってるよ。
そんな気持ちの中にも少なからず小林先輩を助けたいって思ってることを。
それに私は雅先輩も助けたかったんだよ。
「雅先輩はバカですね。私が雅先輩を怒るわけないじゃないですか」
「なんで…」
「私知ってるんですよ?雅先輩が南さんに言ってたの」
「え…」