ヒーロー女子
雅先輩を見るとこっちをじっと見ている。
「そろそろ俺に落ちてよ…“風”」
私の髪を掬いながら言う先輩。
「え、あ…も、もう戻ります!じゃ、じゃあ、ありがとうございました!」
真っ赤になる顔を隠して教室を飛び出す。
廊下はHRが始まる直前だからか人はほとんどいない。
教室についた時丁度チャイムが鳴った。
「矢咲、HR始まるから早く席つけ」
「…はい」
「じゃあ、始めるぞ…―――」
HRが始まってから外をずっと眺めてさっきの光景を思い出す。