ヒーロー女子



涙でグチャグチャの顔を見られたくなくて俯く。



コツコツと雅先輩が近づいてくる音が聞こえる。





「せ、先輩…こっち来ないで下さいっ」


「うん」





でも足を止めてくれない。





「先輩っ!本当に来ないでっ」


「…」





足を止めてくれたと思ってホッとしたのも束の間





「…っ…せ…んぱい…?」





雅先輩の少しフレッシュな柑橘系シトラスの香りに包まれる。


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