涙色レター
「私だって、分かんないんだもん……」



喉から出る、震えた声。

私の様子を見て、只事じゃないと思ったのか
ミナは私の前の席に腰を下ろして、
ため息をついた。



「とりあえず、説明して。何があったのか」


「うん……」


周りを確認してから、まだアイツが来ていないことを確認する。


アイツとは、高崎蓮。(たかさきれん)



保育園から一緒の幼馴染で、
小、中、高と一緒で、切っても切れない腐れ縁。


高校になってからクラスは別れたけど、
毎朝何かしら教科書を借りに私の所へ来るから、一応いるかどうかを警戒する。



蓮とは、幼馴染って言うのもあるけど、
結構仲が良くて。
付き合ってるんじゃないかって周りに良く噂されて来た。


……実際には、付き合ってなかったけど。



蓮の気持ちは、どうだったか知らない。
分からない……。けど、


私は密かに、ずっと蓮に想いを寄せていた。



ミナはその相談相手で、ついに昨日、告白する事を決意した。


…………のに。



私が付き合ったのは、蓮じゃなくて蒼くん。


ミナが驚くのも、無理はない。
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