涙色レター
* * *
昨日、帰りのホームルームが始まる前に、隣の蓮がいるクラスへと行った。
手には、一通の手紙。
ミナに協力してもらって、
戸惑いながらも、自分の蓮に対する想いを綴った一枚。
『メールだと想いが伝わらないよ!』
ってミナが言うから。
流石に、直接伝えるなんて勇気はなかったから
あえての手紙。
それを蓮に渡して、放課後に返事を貰おうと思った。
だけど、教室のどこを見回しても
彼の姿はどこにもなくて。
戸惑っていたら―――
「誰かに用事?」
振り向くと、蓮と同じクラスの人で。
もうすぐ昼休み終わっちゃうから、
この人に任せちゃおう。
「これ、渡してください!蓮に!」
半分、無理やりだったけど。
その人に手紙を押し付けて自分の教室へ帰った。
廊下を歩いてる途中も、午後の授業を受けている間も。
頭の中はずっと手紙のことばかりで。
放課後、来てくれるかな……?
少しの期待と、不安。
高鳴る胸の鼓動を抑えるのに必死だった。