海色の恋、甘い時間
うみちゃんの目は潤んでいて、黄原君の襟首を掴む手は、震えている。

「う、うみ……」

「確かに黄原の腕から逃げたけど……。
怒ったけど……!

だからって、黄原が嫌いになったわけじゃないのに……!」

うみちゃんの目から、一筋涙が溢れた。

「うみ、うみ、ごめん……。
俺って、本当にバカだよな……。
そうだな、勝手だよな……」

うみちゃんの震える両手を、黄原君がそっと自分の両手で包んだ。
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