海色の恋、甘い時間
「愛ちゃん……?」

膝の上の食べかけのお弁当を見つめながら、ぽつりと言うと。うみちゃんは少し戸惑ったような声でわたしを呼んだ。

「中学生の時は、友達いなかったの。
前にも言ったっけ?

で、毎日あの意地悪な女子達に、いじられてた。
いじめ、まではいかないんだけど、とにかくバカにされてた」

今でも思い出すと、苦い気持ちになる。
うみちゃんが、慰めるようにそっとわたしの背中に手を伸ばしてくれた。

「うん……。
辛かったね、自信、なくしちゃってたんだね……」

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