海色の恋、甘い時間
「おはよう、うみちゃん、おはよう、みんな!」

わたしは初めて、個別にではなくて教室の入口から、クラスメイト全員に向かって大きな声で挨拶をした。

「わ、愛ちゃんお早う!」

一瞬、クラスがしん、となった。
普段大人しくしていて、こんなことしないわたしが、大きな声で挨拶したから。
皆驚いているようだった。

一番に挨拶を返してくれたのは、やっぱりうみちゃんだった。

「はよ、桃瀬さん。
元気そうだな」

次に、うみちゃんの隣の黄原君。

「あら、いいんじゃない?
桃瀬さん、明るくなったわね、おはよ」

黄原君の次は鈴木さん。
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