海色の恋、甘い時間
「あっ! バカ美空!
お前、眠いと思ったらすぐ寝ようとするんだから!
本当にお子様! 危なっかしいな!」

瀬田君はあっさりと立花さんの目を覚まさせて、腕を引っ張って、
「桃瀬、黄原、ありがと」
と言って、去っていった。

「……。
起こすにしても、あれはどうなんだろうな……?」

「うん……。
がっつりキスしたね。
驚いて立花さん、起きたね……」

結構人目があったのに、さすが瀬田君、と言いながら、わたしと黄原君は歩き出した。
自分たちのクラスに向かいながら、何となくぽつぽつと喋る。

「ねぇ黄原君」

「なに? 桃瀬さん」
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