海色の恋、甘い時間
「ちょっとは気が晴れた?」

「え?」

うみちゃんじゃなくて、わたし?

「青葉さんもそうだけど、桃瀬さんも、表情硬かったから。
ちょっとでも明るくなったかなって」

「あ、うん、ありがとう!」

甘かったけど楽しかった、と伝えた。
ならよかった、と微笑む鈴木さんにお礼を言って、わたし達2人は自分たちの教室へと戻った。

戻った教室の中では、うみちゃんが一人でぼうっとしていて、それを、黄原君が苦しそうに見つめていた。

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