海色の恋、甘い時間
「冷めちゃったね」
目の前には手つかずのホットコーヒーが2つ。
取り敢えず頼んだけど、口をつけるタイミングを逃してしまった。

俯くうみちゃんを見つけるわたしに、小さな声がかかる。
堂々と真っ直ぐなうみちゃんにしては珍しく、言いにくそうな小さな声。

「冬休み……。
黄原と遊ぶ回数が増えて、お互いの家を行き来するようになったんだけど……」

お家を行き来かぁ、仲良さそうでいい感じなのに。
クリスマスも、お正月も、黄原君とデートをしたらしいし。
< 47 / 160 >

この作品をシェア

pagetop