海色の恋、甘い時間
確かに、わたしにしては目立つ事をしてしまったと思う。
自分でも驚いた。

「お客さ~ん、大丈夫ですか~?」

そこへ、ぱたぱたと布巾を数枚持った、エプロン姿の店員さんがやってきた。

「あ、ごめんなさい、大丈夫で……!
って、立花さん?!」

「あれ? 桃瀬さんと青葉さん。
来てくれてたんだ、ありがとね」

立花さんは嫌な顔一つせず、むしろわたし達ににこりと微笑んで、濡れたテーブルを拭いて、空になったグラスを手にした。
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