海色の恋、甘い時間
「桃瀬さん、洋服濡れてない?
タオルとってこようか?」

「あ、わたしは大丈夫だよ、ありがとう。
ごめんね?」

こぼして、しかも騒がしてしまったのに、立花さんは優しく気遣ってくれた。

「替えのお水持ってくるから、待っててね」

そう言い残して去って行く立花さんの背中を見つめる。

「ここ、立花さんの実家なんだって。
って、わたしもこの前知ったばかりなんだけど」
< 53 / 160 >

この作品をシェア

pagetop