海色の恋、甘い時間
「でも、約束したんでしょ?
黄原君、破ろうとしたんだよね……?」

「ん、未遂だったけど、そうなるね……。

あの時、ビンタしなかったら、黄原がひるまなかったら……。
あたし、あのまま……?
って、自分の家に逃げ帰って考えたら怖くなって……。

怖さの次に怒りもこみ上げてきちゃって。
許せなくなって……。
それで、怒っちゃった……」

怒りすぎたかな……?
と、困ったように笑ううみちゃんに、わたしはぶんぶんと首を左右に振って見せた。
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