海色の恋、甘い時間
その時、うみちゃんの携帯が鳴った。
うみちゃんはカバンを漁って取り出して、わたしにごめんね、と合図をして電話にでた。

「お母さん、どうしたの?
ん? うん、あ、そうだった。
ごめん、急いで帰るから!」

うみちゃんは慌てた様子で携帯をしまって、財布から自分の分のコーヒー代を出した。

「あたしから呼んだのに、ごめん、愛ちゃん!
用事忘れてた! 行かなくちゃ!」

「いいよ、また明日ね」
< 66 / 160 >

この作品をシェア

pagetop