海色の恋、甘い時間
立花さんはたちまち真っ赤になった。
既に真っ赤なわたしと、2人とも向かい合って赤い。

「も、桃瀬さんって、意外に凄いこと、聞くんだね……?」

「た、立花さんこそ、思った以上に鈍いと言うか天然、なんだね……?」

わたし達は暫くぼうっと赤い顔を見合わせていたけれど、このままじゃラチがあかないなぁと思ったわたしが呟いた。

「瀬田君に、愛されてるよね、立花さん……?
あ、キスの先、されてるよね、って、意味だよ?」

「わ、え、う、うん……?」

驚きながらも嘘がつけないのか、おどおどと立花さんは肯定した。

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