海色の恋、甘い時間
「瀬田、いたの……?」

瀬田君の腕の中の立花さんが、真っ赤になって俯いている。

「鈍いお前が、俺を巻けると本気で思ってるの?」

「う~……」

どうやら常に、瀬田君が一枚上手らしい。
まぁ、立花さんのおっとり鈍感ぶりを見ていれば、そうかもって思う。

「今日は映画に行こうと思ってたけど、やめた」

「え? 瀬田、観たがってたじゃない?
どうして?」
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