我那覇くんの恋と青春物語~横西めぐみ編~
中庭に着くと既に人だかりができていて、二人を煽るような声も聞こえてくる。


「どういうことか、もう一度言ってみろと言っているのだ!」


「ああ、何度でも言ってやんぜ。もう金輪際あいつに会うんじゃねえ、って言ってるだよ!」


「だから、理由を言ってみろと言っているのだ」


「そんなのあたしがもうすぐ卒業だからに決まってんだろ。お前は年下なんだから少しは空気を読め、この成金娘」


「成金とはなんなのだ、成金とは。それにもうすぐ卒業だから何でも許されるなど、いつ誰が決めたのだ」


「そんなの昔から決まってんだよ。だいいち、お前が今までやってきたことだって、何だって許されてるじゃねえか」


二人ともかなり熱くなっている。

これはこちらが止めに入っても、どうこうなる問題でもなさそうだ・・・


「いい加減にしなよ!」


二人の後ろ襟を掴み、横西さんが間に入った。

この場を鎮められるのは、やはり横西さんしかいないか。


「離せよ、めぐみ!今日という今日は、お前がいくら怒っても駄目だかんな」


「なのだ!貴様がまず相手になるというのか」


「いくら親友のめぐみでも、邪魔をするのなら・・・」
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