我那覇くんの恋と青春物語~横西めぐみ編~
余計に複雑になってしまったが、凄く大事なことを言われた気がする。

そして、それが手の届くところまできているような・・・


「おい!」


気付かないうちにロッカーまで来ていたようで、入口にはエアが仁王立ちをして待ち構えていた。


「卒業式一日前にゲーセンのお誘いか?」


少しだけ笑い、彼女の横を通り抜けようとする。



なんとなく、そういうことではないというのは分かっている。

けれども、今はこんな態度でしか接することができなかった。


「今日は・・・めぐみに譲る」


やはり、そうだ・・・



ロッカーから外履きを取り出し、あまり音を立てないように閉めた。


「・・・お前だけなんだよ」


どこか寂しそうな表情で下を向き、足元にある紙くずを蹴っている姿は、大切な親友を思っているのだろう。
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