あの日の約束【前】
「ちょっと色々あってな…何か、朝倉に頼りたくなった。俺、朝倉が思ってる以上に弱いからっ。今1番、朝倉に側におってほしい」







そう言って苦しそうに笑った









何があったかは聞かなかった






聞けなかった






あんなこうちゃんを見たことがなかったから…











あたしには

何も出来ないのかなあ







そう思っていたらこうちゃんは


「こうして朝倉といるだけで本当に俺は助かっているから」



そう言ってくれた…











あたしはまた泣いた


こうちゃんも泣いていた











このときは

こうちゃんの悩みが

不安が

あたしにも関わっていたなんて




知らなかった





これを知るのはもう少し先の話






あたしはこの時

こうちゃんの支えになっている なんて馬鹿みたいなことを思っていた


本当に馬鹿だった…








ごめんね……





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