運命


チャイムが鳴る

教室に入ったとたんクラスの視線がこっちに集まりそして背けた

もう慣れたもんだ

気にしなければいいだけの話

そう思い椅子に座った

だが座ろうと腰を下ろしかけたとき激痛が走った

痛い

僕は魚のように跳び跳ねる

なんで?

目を見開いて見みると金色の小さな針が無数に椅子にはらさっていた

……画鋲だった

おしりの辺りを何度も触り確認する

クラスは知らないふりをする

僕はなにも言わずセロハンでとめられた画鋲を剥がした

そして捨てた

もう一度座り直す

おしりがまだ痛んでしょうがない


「おい、カス。なに捨ててんだよ」

さっきの捨てた画鋲を手にした男達に囲まれた

目の前にいるのは今日の朝カバンで殴ってきたノリだった。

こいつがリーダー

こいつが僕をいじめる主犯格

だが、怒りすらわいてこない

僕の心もこいつらのように腐っているのかもしれない

「おい、立てよ」

僕は無視する。ひたすら下を向きこの時間が終わりを待つ

「たてっつてんだろ!」

ノリは机を蹴る

僕の膝に電磁波のような衝撃が落ちる

そして僕自信も反動で後ろに反り返ってしまった

椅子と体が地面に横たわる

僕は無言で椅子を直す

痛みはもう慣れている

我慢すればいいだけのこと

ガラリ

前のドアが開いた



















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