1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「…いつもこんな感じなのか?」

「そうですね。大体俊也さんが使い物にならなくなります。なので、男手はいつも足りないんですよ」

「…そっか」

 あきくんは、少し笑みを浮かべて、立ち上がる。
 そのままお父さんにお仕事をもらいに行ったあきくんを見送って、お魚の番をします。

 あきくん、なんだか様子が変な気がします。どうしたんでしょうか…。

「よも、隣いい?」

「あ、紅葉さん…椅子に座ってください!!しゃがんじゃダメです!!」

「座るからいいの。よも座って座って」

 お腹がずいぶん大きくなった紅葉さんは、そんなこと気にもしてないような動きをするので冷や冷やします。

 地べたに座ってしまった紅葉さんに、椅子を取りに行くような雰囲気ではなくて、結局隣に座りました。
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