1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「…あ、あきくんは、誕生日、してほしいことないですか?」

「…なら、泊りに来いよ。久しぶりだろ?」

「え、そ、それだけ…?」

「家に誰かいるって結構落ち着くんだ。蓬は抱き枕に丁度いいしな」

 やっぱり、あきくんはキザ男ですね。

 また、心臓が全力疾走した後みたいになる。

 ドキドキいって、顔が熱くなって、どうすればいいのか分からなくなる。

「嫌か?」

「い、いいえ!ただ、それだけでいいのかなって…」

「いいんだよ。あんま考えすぎんな。俺は、蓬が傍にいてほしいだけだから」

「…はい」

 あんまりにも真剣に話すから、ふざけたことも言えなくて、ただ恥ずかしさを必死に押し込めた声しか出せなくて…。

 ねぇ、あきくん。私は、あなたの傍にずっといてもいいんですか…?
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