1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
薪を拾って、テントを張ったところに戻ると、いつの間にか地元のおじいちゃん、おばあちゃんに囲まれているお父さんたち。
なぜか馴染んでることが多いんですよね…。
どうやらイノシシのお肉の調理法を教えてくれているそうです。
生き物の見る影もなくなったお肉の塊が結構な量あって、それがイノシシだったなんて分かりませんね。
「あきら兄ちゃん!!あれ、かぶとっていうんだって!」
「は?…うお!?」
「ぎゃ!!?」
無邪気イノシシの頭を指さして教えてくれるともくんでした。
というより、怖いんですけど…。
「お、戻ってきたか」
「お父さん、あれ怖いんですがっ」
「お嬢ちゃん、あれはな、きちっと処理すりゃあ飾れるんじゃよ?」
「え、飾るの!!?」
「いや、流石に持って帰れないから猟師さんに引き取ってもらう」
おばあちゃん見慣れてるみたいな言い方です。
恐ろしいですね。慣れって…。
あきくんはともくんに連れていかれて、イノシシのかぶとを間近で眺める羽目になっていました。
そそくさと地元の方に囲まれて、一緒に料理のお手伝いをしました。