1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「…決めた」

「はい?」

「蓬、俺、いつかお前を手に入れる」

「…え」

「だから、覚悟しとけ」

 さっきの表情から一変、何か吹っ切れたような清々しい表情です。

 えっと、なんだか口説かれたような気がするような、気がしないような…?

「あきくん?」

「お前が、誰のこと思っててもいい。でも、俺は、お前に惚れてる。それだけは忘れんな」

 一気に頬が高揚していくのが、嫌でも分かりました。

 あわわ、やっぱり口説かれてますよね!?わ、私はどうすれば…!!

「お、通じたか」

「う、うるさいです!」

「蓬、今返事しなくてもいいからな。ちゃんと、告白するから。だから、それまでは普通でいろ」

「…そんなの、無茶ですよ」

「だな。ま、お前はお前の気持ちを整理しとけ?」

 頭をくしゃくしゃに撫でられて、あきくんにうまく丸め込まれてしまった気がします。

 でも、自惚れていいんですよね?心の奥がドキドキいってるのに、全然嫌じゃない。むしろ喜んでるみたいです。

 これは、なんですか…?
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