1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

守る決意


「俺が正式に嵐鬼に入って、1週間もしないうちに、蓬が焔を引きずってきた時は流石に驚いた」

「あぁ…確か俺、行き倒れたんだっけ…」

「私が引きずってきた所為で、ズボン擦れちゃったんですよね…」

 蓬がその時のことを思い出して、苦笑した。

 焔は懐かしんでいるのか、ぼぉっと上を向いたままだ。

「というより、私が見つけたからって総長になるんですか?」

「よもぎちゃんが見つけてくるのは、なぜかそういう素質がある人が多いんです」

「…確かに、朔夜さんの覇気を感じた時にはなんとなくお父さんに似た感じだったのでそうかもしれませんが…」

「蓬、お前が拾う基準はそこか?」

「拾うというより、ただ何となく…」

 蓬もそこは感覚に頼っているのかあいまいな答えしか出せないようだった。

 それにしても、清牙さんに似てるオーラの奴に反応してただけなのか…。
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