1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「はい。誕生日おめでとう」

「ありがとうございます…。多くないですか?」

「え?やぁね~、秋空くん。彼女来るんでしょう?」

 一瞬思考が止まる。

 彼女?ここに連れてきたことあるのって…。

「…か、彼女じゃないですよ!!」

「あら、赤くなっちゃって。照れなくてもいいのよ~」

「いや、マジで勘違いで…」

「高校生だものねぇ。あ、大丈夫よ。下の運ちゃん明後日まで帰ってこないから」

「何が大丈夫なんですか!!」

「とぼけちゃって、かわいいんだから。そういうこと秋空くんだって興味ないわけじゃ…」

 ダメだ。これ以上ここにいたらからかわれる!

 適当に話を切り上げて部屋に逃げ込む。

 いい人なんだけど、たまにおせっかいというか、なんというか…。ああくそ、変に気にしそうだ…。

 頭をガシガシ掻いて、もらったおかずをとりあえず電子レンジに入れて、制服から着替える。

 はぁ、マジで気にしそう…。
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