1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「それじゃ、また時々抜き打ちで会いに来るからな」

「来なくてもいいぞ~」

「あい!」

「はは、そうなれば1番だ。じゃあな」

 広西は満足そうに笑って倉庫を出て行った。

 清牙に促された蓬がばいば~いと手を振っている姿にまたやられた。

 娘になるって子が、あんなに可愛くて文句なんかないわ。ほんとに…。

「ももねーね~」

 ちょこちょこ歩いてきた蓬に両手を広げれば最後だけわざとジャンプして入ってきた。

「もう、可愛すぎる~」

「ん~」

「桃、蓬がつぶれる」

 清牙の苦笑いもいつものこと。

 ちょっと苦しいかなと思うくらい抱きしめても、むしろよもぎは喜んじゃうからついね。
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