1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「ん!」

「よしよし、いい子だなよもは」

 家についてすぐにちゃんと手洗いうがいをする蓬は、できるとどうだと言わんばかりに両手を見せてくる。

 褒めたら褒めたで嬉しそうに跳ねるからまたかわいくてやられた。

「せーがにーにも~」

「ん、どうしよっかなぁ」

「ばっちぃ!」

「ん?よもの手見せてみろ~」

「め!」

 自分の両手を後ろに隠してぷんぷん怒ってる蓬に清牙が折れて手を洗いに行く。

 うがいしないとまた怒った蓬に清牙もたじたじ。

 なんでか蓬はしっかりしつけられていて、手洗いうがいもだけど、ちゃんとトイレ行くって自分で言うし、ご飯の前後のあいさつもばっちり。歯磨きだって忘れない。

 そういう面で子どもだなって思うのはお風呂の中ではじっとして、洗ってくれるのを待ってるくらい。

 ほんとにそれくらいちゃんとしつけられてるいい子なんだよね…。

「ももねーねも~」

「ん、あぁそうだね。ごめんごめん」

 むしろいうところは私たちよりしっかりしてない?

 手洗いうがいを済ますと、やっと蓬は満足したのか私たちに甘えだした。
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