1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
こうしてまんまと時間を稼いだものの、適当に言った小説の新作なんかは出ているはずもなく、よもを不審がらさせてしまった。
適当に言い訳を重ねて1時間近くショッピングモールをうろうろして、17時を過ぎたくらいに店を出る。
「お父さんどうしたの?なんか今日変だよ?」
「ちょっと仕事で疲れててな」
「…無理、しないでね?」
心底心配した顔のよもに思わず罪悪感を覚える。
「あう~」
「ん?咲ちゃんどうしたの?」
「あ~あ」
「あ~」
今度は咲に助けられたか…。
よもに構ってほしいのかちょっかいをかけまくってよもの注目を一身に受け始めた。
そのおかげでよものそれ以上の言及はなく、家まで戻れた。