1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

 家まで戻ってくると、さっきまでなかった車が2台もある。

 剣人たちが張り切って早めに来たんだろう。よもも気づいたのか、少しだけ表情が緩んだ。

「ただいま~ふわ!?」

―パンっ

 よもが玄関を開けた瞬間、クラッカーの音が弾ける。紙吹雪が舞う中、クラッカーを手に持った桃や剣人たちと、智希と望亜の笑顔がよもにむけられる。

「「「「「お誕生日おめでとう!」」」」」

「…あ、ありがとうございます!」

 驚いた顔のままのよもが我に返って満面の笑みを咲かせる。

 智希と望亜の手を掴まれて、リビングに引っ張られていくよもは笑ったままだ。
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