1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
神主さんに別れを告げて、坂を下る。
もうすっかり夕日に街が染まっていました。
「蓬、あの神社、何の神様なんだ?」
「えっと…縁結びです」
「え!?」
「え、何かまずかったでしょうか!?」
「い、いや…縁結びだったのか…」
あきくんはすっかり驚いて、手に持ったお守りを複雑そうな目で見ていました。…なぜ。
「…蓬、好き」
「え?」
「っ…」
口を塞いでしまったあきくんの顔は、どこか赤くて、それは夕日のせいですか?
「私もあきくんのこと、大好きですよ」
「…はぁ」
あれ、赤かったのが一気に治りました。…なんで?
「ちゃんとお参りすればよかった」
「じゃあ、また来ますか?」
「…おう」
あきくんが不意に立ち止まって手を差し出してくれる。
その手に掴まって、また歩き出す。